ぽっちゃりファッションと芸能人

ぽっちゃりファッション誌と芸能人

テレビや雑誌に登場するのは、スタイルの良いやせた人ばかり。
でも世の中、そんなスタイルの良い人ばかりではありません。ぽっちゃりさんだって、たくさんいるのです。
今までぽっちゃりさん用のファッションといえば、ちょっとオバサン臭いものばかり。
ぽっちゃりさん自身、自分に合うサイズがあればいい、入る服があればめっけ物という感じではなかったでしょうか?
可愛い服を見つけても、サイズが合わず、無理してどうにか着てみたら、なんだかイメージが全然違う…
そんなことの繰り返しで、おしゃれを諦めてしまっていたぽっちゃりも多いはず。

ところがここ最近、事情が変わってきたようです。
太め、大きめサイズでも、可愛いい服を扱うお店や通販、ネットショップが増えてきました。

そして、女性のお笑い芸人さんの中で、ぽっちゃりさんの活躍が目立つようになってきています。
森三中の大島さん、村上さん、黒沢さん、アジアンの馬場園さん、柳原可奈子さん、そして渡辺直美さんなど…。
みんな魅力的なぽっちゃりさんばかり。
これらぽっちゃりさんの活躍で、ちょっと太めの女性の可愛らしさが認知されてきたのではないでしょうか。

もちろんモデルさんや女優さん、アイドルなどは、まだまだやせた人ばかり。
でも、ぽっちゃり芸人さんの活躍で、ぽっちゃりさんの地位?は以前より格段に上がったことは確か。

しかも、ここへきて日本初のぽっちゃり女子をターゲットにした雑誌ができたのです。
その名は「la farfa(ラ・ファーファ)」。ぶんか社から2013年3月に創刊されました。
「着れる服じゃなくて、着たい服を見つけたい!」という全国のぽっちゃりさんにスポットを当てています。
おしゃれを諦めてしまっているぽっちゃり女子の強い味方となりそうなこの雑誌、
創刊号は売れすぎて緊急重版したのだとか。全国のぽっちゃりさんからの期待の高さが伺えます。

創刊号の表紙を飾るのは渡辺直美さん。お笑い芸人というより、本当のモデルさんのよう。彼女の可愛らしさが全面にあふれています。面白いのは、「la farfa」のモデルさんたち全員の身長、体重、スリーサイズが明記されていること。雑誌を読んでいる読者の参考となりそうです。

さてそのモデルさん、読者から応募を募ったところ、なんと全国から1000人を超えるぽっちゃりさんからの応募があったのだとか。
ちなみにその応募資格は、①18歳から40歳の女性、②服のサイズがLL~8Lであること、③「顔だし、体重、身長」掲載OK、④平日の昼間に撮影に参加できること となっています。

見事読者モデルに選ばれれば、ぽっちゃりタレントさんを手がけてきたスタイリストさんが服を選んでくれて、メイクさんがぽっちゃりを生かした素敵なメイクをしてくれます。そして、プロのカメラマンが撮影してくれるのですから、一生の記念になるでしょう。

雑誌を手にする読者からも、「自分と似ている体型の人が出ていて、すごく参考になった」、「自分が周りからこういう感じに見られているんだと客観視できた」などの意見が寄せられたそうです。
紀伊國屋書店の店員さんからは、「実際にぽっちゃりした人が気兼ねなく購入している」。
斬新すぎるのでは?という危惧もあったそうですが、ふたを開けてみたら予想以上の大ヒット。
このような雑誌の創刊が、全国のぽっちゃりさんから熱望されていたことが、よくわかります。

その内容、たとえば創刊号は、「ふっくらさんのための魔法のコーデ」、「自分に似合う色・柄・シルエット」、
「ワンピース&チュニックのこなれた着こなし術」、「小顔になれるメイク&ヘアアレ」、さらに、「渡辺直美3変化」などの特集。
第2号は創刊号に続き、渡辺直美さんが表紙を飾っています。渡辺さんは巻頭インタビューにも登場。
ほかには、「この夏もっと可愛くなる!スタイルアップ計画」、「おしゃれ読モ4人の1week着回し」、「劇的変身!ヘアメイク革命」、「大きいサイズでもキュート!今買うべきランジェリーはこれ!」、「モテ可愛ビーチStyle」、「はんなりゆかた美人」など、夏を楽しむための情報が満載です。

ぽっちゃり女子のための、すぐに使えるリアルな情報が主体となっています。読モもぽっちゃりさんばかり。
ただ眺めるだけのファッション雑誌ではなく、ぽっちゃり女子が実際に、「この服買っちゃおうかな」、
「このメイクを試してみよう!」と思える作りとなっています。

もともと創刊のきっかけは「昔はおしゃれをしたくても、太った人に合うサイズがなくて諦めざるを得なかったけれど、
今は大きいサイズの可愛い服がたくさんある。だったら大きいサイズのためのファッション誌がないと!」ということから。
確かに、世の中こんなにたくさんのぽっちゃりさんがいるのに、どこにもぽっちゃりさんをターゲットにした雑誌はありませんでした。
大きめサイズの服が増えてきたのですから、その着こなしを手ほどきしてくれる雑誌が必要です。

「la farfa」は、ぽっちゃり女子にも、もっとおしゃれを楽しんでもらいたいという気持ちから作られています。
やせたモデルが着る服では「この服が着てみたい」とは思わないでしょう。でも自分の体型と似た読者モデルが着こなす服なら、「着てみたい!」と思うはずです。
「la farfa」は、カジュアル、シック、フェミニンなど、ジャンルを問わないというのも特徴です。いろいろなスタイルのコーディネートを示すことで、自分にピッタリの服を見つけて欲しいという思いがこめられています。
「ぽっちゃり女子はフリルは似合うわけない」、「スカートはムリ」などと決めつけないで、いろいろなジャンルの服に挑戦して欲しいというのが編集部の考えなのです。

巷にあふれるダイエット情報、そしてダイエット食品やサプリのかずかず。まるで「やせてさえいれば美しい」、「やせることだけが善」と洗脳されているようです。
でも、食べたいものを我慢してモデルのように痩せるのは、本当に素晴らしいことなの?やっとこんな疑問を堂々と言える時代が来たのかもしれません。
世の中の男性も、「やせた女性よりも少しぽっちゃりした女性のほうがタイプ」という人は多いのです。
太っているからとおしゃれを諦めたりせず、気になる部分を隠したりせず、自分に合うファッションを雑誌で研究してみてはいかがでしょうか。
堂々とおしゃれを楽しむぽっちゃりさんが、もっと増えて欲しいと思います。